Datadog 認定試験「APM and Distributed Tracing Fundamentals」を受けてみた
こんにちは。テクニカルサポートチームのShiinaです。
はじめに
Datadog 認定試験の「APM and Distributed Tracing Fundamentals」を受けてみましたので試験概要と受験体験のレポートです。
認定試験は全冠取得できましたのでそれぞれの試験の難易度などや所感についてもお届けします。
各試験の受験体験レポートは以下をご参考ください。
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「Datadog Fundamentals」
https://dev.classmethod.jp/articles/certification-datadog-fundamentals/ -
「Log Management Fundamentals」
https://dev.classmethod.jp/articles/datadog-log-management-fundamentals/
受験時の筆者のスキル
- Dtadog 利用経験3年
- 認定試験「Datadog Fundamentals」、「Log Management Fundamentals」合格済み
- APM の利用経験なし
試験について
- 試験時間120分
- 全90問の選択肢式の問題(採点対象外15問含む)
- 言語は英語のみ(2024/12/31時点)
試験の内容と概要
APM および分散トレースについての知識が問われます。
・APM に関する主な用語、概念に関する基礎的な知識
・Datadog トレーシングライブラリ利用方法、サンプリングおよびトレースの保持期間
・トレースのフィルタリングによる検索やメトリクスによる可視化、トラブルシューティング
開発言語に関するスキルは求められませんが、Python や Java については経験があると役に立つと思います。
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APM Fundamentals
APM Rationale
Datadog Approach to APM
Tracing Architectures
Language Level Differences—Automatic Instrumentation
OOTB Tracer vs Community Tracer
Tagging
Retention Periods for APM Data -
Application Instrumentation
Datadog Tracing Libraries
Instrumentation Types
Datadog Agent Architecture
Sampling vs Retention
APM Data Security
Trace/Log Correlation
Connecting RUM and Traces
Profile Collection
Deployment Tracking -
Insight Discovery
Services
Search Syntax
Trace Live vs Retained Search
Profiler Flame Graphs
Deployment Tracking
Identifying Slow Endpoints
Error Tracking
Span Summary -
Visualizing Insights
Service Performance Dashboards
Generating Metrics
Calculating Apdex Scores -
Troubleshooting Application using APM
Using Trace Search (during incident)
Monitors & Alerting
学習方法
Datadog Learning Center 公式ドキュメント、模擬試験で学習しました。
Datadog Learning Center
Application Performance Monitoring (APM) Fundamentals Learning Path の全5コースが利用できます。
すべて学習することを強くお勧めします。
APM のトレースデータが送信されているデモ環境を利用できるため、APM に触れたことない方でも学びやすいです。
Datadog 公式ドキュメント
試験の対策として役立つドキュメントとポイントとなる箇所をまとめてみました。
env
,service
,version
と相応しい値について。
例えばenv:production
,service:frontend-store
,version:x.x.x
などが挙げられます。
アプリのインスツルメンテーションは Automatic Instrumentation と Custom Instrumentation の2種類。
サポートされていない場合はコミュニティートレーシングライブラリを利用します。
8126
ポートでトレースを受信します。
サービス、リソース、トーレスをはじめ、スパン、インデックス化、などの重要な用語の定義や説明。
Datadog Agent 側の APM を有効化方法、APM の無効化(アンインストール)のコマンド。
-javaagent
引数の利用方法。
ddtrace-run
コマンドの利用方法。
リクエスト回数、エラー回数、およびレイテンシーメトリックの説明および算出方法。
Apdex(アプリケーションパフォーマンスインデック定義)の概要と Datadog における Apdex 設定方法。
DD_TRACE_RATE_LIMIT
による1秒あたりのトレース数の設定。
リモート構成を行っておくと Datadog コンソールから直接パラメータをリモート管理することができます。
Datadog では取り込んだスパン(Ingestion Span)、保持しているスパン(Index Span)と表現されます。
スパンを保持すると数に応じて料金が発生します。
デフォルトで Datadog intelligent retention filter となるものが存在します。
上記は多様性サンプリング、1% フラットサンプリングを自動で保持してくれる設定です。
Datadog intelligent retention filter によって保持されるスパンに対しては料金は発生しません。
メトリクスの保持期間は15ヶ月利用できますので長期にわたる分析も可能。
メトリクス生成においては、スパンを保持(Index Sapn)している必要はありません。
Live Search では過去 15 分間に取り込まれたスパン(Ingestion Span)を検索できます。
Service Catalog は、APM を通じて検出されたエントリが事前に登録されています。
エラーがサービスエントリースパンに位置する場合にエラー追跡によって処理されます。
追跡対象の error.stack
、error.message
、error.type
スパン属性が含まれている必要があります。
トレースデータ含まれている機密情報に対してはトレースの難読化やタグ置換方法を行うことができます。
DD_TRACE_DEBUG=true
を環境変数に指定します。
サービスのレイテンシー比較方法。 Webサービスにおいて最も遅いトレースをデバッグする方法。 プライマリタグの追加方法。
模擬試験
Datadog Learning Center のコースに「APM & Distributed Tracing Fundamentals Practice Exam」があります。
所感
APM の試験では専門的な用語が多く登場します。
ユースケースに応じたベストな方法の選択などの出題傾向が多かった印象です。
取り込んだスパン(Ingestion Span)、保持しているスパン(Index Span)の違いや保持期間についてはしっかりと押さえておく必要があります。
料金が発生するもの、しないものについても確認しておくと安心です。
トレースエクスプローラを利用して目的に応じた検索を行うための具体的なクエリなども出題されます。
そのため、3つの統合サービスタグについては前提知識として必須となります。
タグを設定する目的、具体的な設定値については Datadog Learning Center でデモ環境を触ってみるとイメージしやすいです。
全冠取得してみて
難易度としては「APM and Distributed Tracing Fundamentals」が一番難しいです。
DatadogAgent、タグ、ファセット、検索クエリの知識も問われるため、Datadog とログの基本知識が前提として必要となってきます。
「Datadog Fundamentals」、「Log Management Fundamentals」、「APM and Distributed Tracing Fundamentals」の順序で受けることをお勧めします。
まとめ
「APM and Distributed Tracing Fundamentals」では APM の専門用語、基本概念、トレースデータの管理、検索クエリ、タグ設定などが問われ、特にスパンの種類や保持期間、料金発生条件の理解が重要です。
難易度は他試験より高く、順序として「Datadog Fundamentals」→「Log Management Fundamentals」→「APM and Distributed Tracing Fundamentals」の受験が推奨されます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
今後受験を予定している方の助けになれば幸いです。